2021-02-17 水葬 短歌 うつしよと隔てるように石を入れた さらばおとうと 波路遙かに 白波に花が散らばり消えてゆく 幾千の日々皆還らざる ごわごわの麻袋では痛かろうと シルクのスカーフこっそり巻いた 海底に桜は似合わないとわらう 帰る場所なき たまゆらの君 いつか誰かが言っていた海の底の 都をきっと見に行ったんだね 死ぬことは罪だと思う 生きるのは罰だと思う朝霞の中 魂の在処など知らぬ僕らだから 一緒に桜の木になろう